お手入れで手のひらを使うとき、たとえば、基本の3の「手をすり合わせるとき」とか、お顔を洗うとき、波動法をかけているときなど、手のひらを使うときは、常に吐く息を手のひらの中央にある「労宮」というツボから吐いている“つもり”でします。
指先で波動法をかける場合とか、指先でシミの上のポイント活法をする場合は、指先から息を吐いている“つもり”になってします。
これは手のひらや指先から力を放射するということなのです。
老練な気功師になりますと、指先から放射した気が、実際にロウソクの炎を揺らしたりするようになります。
気というものは私たちの目には見えませんけれど、架空のものではなく、実体のあるものですから、あなたが手のひらや指先から息を吐くときは、たとえわずかでも力が放射されているのです。手のひらから息を吐くということは、天地宇宙の気を集めて息とともに放射するということです。
自信を持っておやりください。
手のひらをすり合わせたり、お顔を洗ったりして、手のひらでお肌をなでる(活法)ときは、吐く息、吸う息で手のひらが動かされているようにします。
自分の意識でかってに手のひらを動かすのではありません。自分の意識で動かすのは「我(が)」によって動かしているということになります。
基本の1のように脱力しますと、心の「我」がなくなって「無」の境地になりますから、息が手のひらを動かすようになります。
そうすると手のひらの動きは息のリズムと合体するので、お肌が要求するリズムとテンポでなでることになります。
これはお肌が一番心地よく感じる、お肌が一番元気を回復するなで方になるわけです。
手のひらでなでるにしろ、指先でなでるにしろ、そのリズム、テンポ、強さというものは体の要求するリズム、テンポ、強さにマッチしたときが一番効果を上げるものです。
では体が要求するリズム、テンポ、強さなどはどのようにして知ればいいのでしょうか。
それは昔から言われている次の言葉が教えてくれています。
「体のことは、体に聞け」
「お肌のことは、お肌に聞け」
リズム、テンポに関しては、基本の5で説明したとおり呼吸が教えてくれます。
呼吸のリズム、テンポがそのときの体のリズム、テンポです。ですから呼吸に手を動かしてもらいさえすれば、体の要求しているリズム、テンポの動きになるわけです。
さて、そこで残ったのは強さの問題です。どんな強さをお肌は要求しているのでしょうか。
「お肌のことは、お肌に聞け」
お肌が一番気持ちがいいと答えてくれる強さが、一番お肌が要求している強さです。
そのときお肌は一番リラックスしてすべてを受け入れてくれるのですから、お肌への効果が最も高くなるのは当然です。そしてお肌が一番気持ちがいいと感じている間は、活法をつづけていてもいいわけです。
気持ちよく思わなくなった、不快に感じるようになったらおやめになればいいのです。
このことを心にとめておけば、どの程度の強さで、どのくらいの時間つづけるのが一番いいかという答えはおのずからおわかりになるはずです。